2009年6月18日木曜日

『夜と霧』

ずっと読みたくて、でも避けてきた本。
私が学校で心理学を勉強したい、と思うキッカケとも言える本だ。

覚悟してページをめくらなければならない。
私は本編にたどり着く前に、二度挫折している。
アウシュビッツに代表される収容所が作られる経緯、出来事が
細かく記されている。
そう、これは第二次世界大戦中にユダヤ人強制収容を舞台に
ある精神科医が人間の心理状態を考察した実話なのだ。
(この精神科医も囚人として収容されていた)
私は最初の2・3の収容所の解説を読んで諦めた。
もうダメ。吐きそう。。
解説を飛ばし、本編に移った。

本編は比較的、心理状態を裏付ける為に必要な状況説明と
心情に徹底されていて、何とか読み進められる。
人間の限界って何だ?
限界の先にある感情って虚無か?絶望か?愛か?
1ページ1ページが重くのしかかる。
本当に、読み進められない。
でも、実際にあったのだ。この日本にだって。
ほんのちょっと前のこと。
私の祖父母は経験してることなのだ。
戦争に限らず、人は簡単に鬼になれる。
鬼にならねば、人は生き延びることができない。
そういう時がある。

私は二度とこの本を読み返すことはないと思う。
でも一生忘れることはない。

夜と霧—ドイツ強制収容所の体験記録
V.E.フランクル (著), 霜山 徳爾 (翻訳)
みすず書房

2 件のコメント:

  1. 子育てしながらこんな重い内容の本を読めなくなりましたね。すごく興味はあるけど読んだ後はしばらく気持ちがやっぱり元に戻らないから子供と接触できないことあると思うからちょっと怖い(弱物で・・・)。子供が産まれてから絵本や子育て関係以外の本だとHarry Porterしか読んでいないな〜(笑)。
    こういった実際に起きた戦争のことを読むと、ウチの子供たちやその後の世代の子に絶対戦争を経験させたくないとお祈りするばかりよね。。。

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  2. コメントありがとう!確かに気持ちが落ちっぱなしになる本だと、子供の前では厳しいね。
    この本の場合は、ダンナが「何かoutputをしないとママがきつくなるよ。」と言って、色々話を聞いてくれたから良かった。
    日本って、今は平和だもんね。60年くらい戦争していない国は世界で考えたら、珍しいかもしれない。
    どこの国も本当にそうなって欲しいよ。

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